尿路結石症について

尿路とは腎臓で尿が作られ、その尿が体外へと排出するまでの経路のことをいいます。
この尿路には、腎臓(腎盂)、尿管、膀胱、尿道が関係しています。
これらの部位では、尿の成分が固まってつくられた石のようなものが発生することがあります。
このような状態にあるのが尿路結石で、発生している部位によって、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と診断されるようになります。
なお尿路結石の発症メカニズムですが、尿の中に含まれるシュウ酸やリン酸、尿酸などが濃縮し、結晶化されたことで発生するようになります。
種類としてはシュウ酸やリン酸等が混合するなどして作られたカルシウム結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石などがあります。
なお腎結石と尿管結石は上部尿路結石、膀胱結石と尿道結石は下部尿路結石にも分けられます。
ちなみに尿路結石の約96%は上部尿路結石(約4%が下部尿路結石)とされ、男女比では男性の患者さまが多いです。
主な症状ですが、腎結石は腎盂内に結石がある状態です。
自覚症状は出にくいですが、鈍痛や血尿等の症状が現れることがあります。
また尿管結石は尿管内に結石がある状態です。この場合、腎臓(腎盂)から結石が降りていきます。
その後、尿管に結石がはまり込んだ状態(嵌頓)になると背中から腰の部分にかけて激しい痛みに見舞われるようになります。
膀胱結石では、腎臓や尿管から結石が降りてくることもあれば、膀胱内で発生することもあります。
よくみられる症状は、血尿、排尿時の痛み、尿の出が悪い(排尿障害)といったものです。
また尿道結石は、膀胱よりも上から降りてくる結石が尿道ではまってしまっている状態です。
これによって、血尿や疼痛、尿線途絶、尿閉(尿が全くでない状態)なども含む排尿障害が現れるようになります。
治療について
結石の大きさにもよりますが、1㎝未満であれば自然に体外へと排出されるようにします。
そのためには、水分を多く摂取(1日2リットル以上)し、適度に運動もしていきます。
また痛みが出ているのであれば、NSAIDsなどを使用することもあります。